農繁期・麦刈り・・・

梅雨の季節に振る雨が幾日続こうが自然を
相手に生きる農家の人は愚痴をこぼしません
でした。

脱穀した小麦は蒸し暑い中で働く手にはヒンヤ
リとした心地良い感触で今でもこの季節になると
懐かしく思い出されます。

家中総出で1年分の食糧の生産に励むのですから子供も遊んでいる
子は独りもいませんでした。

小柄な私には麦を刈る鎌は大きく重く感じたものです。

晴れた日には雲雀が上がり麦畑に作った我が家を心配してさえずる
賑やかな麦秋の風景は忘れられません。

雲雀の巣を見付けるのが唯一の楽しみで見付けた巣は壊すことなく
刈り取った麦をソット被せて置いたものです。

巣の中の玉子が太陽に晒されて焼けない心遣いでこうして生きとし
生けるものは自然のルールの中で共生して自然と仲良く生きていた
時代です。

田圃の近くの川に水が豊かに流れると田植えの季節の到来です。

今思えば何処の家も足並みが揃って居たことが不思議に思えます。

「怠け者の節句働き」が身に付いていた農業に携わる人の心構えが
教える生き方だったようです。

新しい小麦で打ったおうどんはこの季節のご馳走でした^^


*初物の笊に盛られしうどん食べ蛍追いたる麦の秋好き
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蛍かご・・・

どこからとも無く「蛍を捕まえないで下さい」と・・・

真っ暗な園内には子供連れの親子が沢山見え
ておりました。

日中の暑さから遁れるのには気持ちが良い山の
冷気が肌を撫でていきます。

一つ二つと小さな灯りが夜空を彩るかのように飛び交っておりましたが・・・

子供の頃麦藁で編んだ蛍かごに沢山の蛍を捕まえて蚊帳の中に離して
遊んだ私には小さな蛍が懸命に飛び交う姿が哀れに思えた夜でした。

一度破壊された自然を取り戻す事の大変さを教えられて帰路に着きました。


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風受けて筵の凧の揚がる朝

冬至が過ぎると父が落ち着かなくなる。

その日の朝は母は朝から大忙しだ。

赤飯を蒸かし、煮しめを作り子供は酒屋に走らされる。

親戚の物好きな叔父さん達が集まると父の顔が緩み
作業小屋の中から大事そうに真新しい綺麗に織られた
筵が運び出されて来て。

まるで悪戯を見付けたような顔をした大人達が筵の廻りに集まり
大きな凧が出来上がる。

畳一畳くらいの唸り凧で荒縄のシッポを付けて太い竹の梁に括られた
凧は農家の広い庭が狭く見える程大きく見えた。

冬の間遊ばせて在る「苗代」用の田圃に太い杭が打ち込まれて風の向きを
読んで揚げるのだが簡単に揚がってくれないのが、それはそれで楽しいらしい。

風をはらんで旨く揚がると一升瓶の蓋が開き茶碗酒でまず一休み。

揚げる綱はロープで一度揚げると少しくらいの雨では下ろすことはしなかったと
思う。

村々の彼方此方で唸り凧が揚がると一気にお正月気分になるのだった。

風の強い日はびゅーんびゅーんと唸って大きな空の主の様な姿が今でも
目に焼き付いている。

今は揚げる人が居ないようだ。

昨日今日は「少林山」のだるま市」で明日は前橋の初市で道一杯に
達磨やさんのお店が並ぶ。

この達磨さんは髭と眉が鶴と亀で縁起が良いらしい。

行きは北風に向かって一生懸命に自転車を漕いで行くのだが帰りは
「唐草の風呂敷」に大きな達磨さんを背中に括り付けて来るから自転車は
自然と走ってくれる。

上州名物の空っ風も良い物だと思う。

*空っ風や賽の目遊び赤城山

*花札や猪鹿蝶と落花生
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想い出ポロポロ・・・

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トントンと階段下りる秋の朝


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麦秋

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思いも寄らない時期に風邪を引いて季節の模様替えが遅れている。

お天気も定まらないし・気は急くばかりで身は一つしかない。

友からの便りで田仕事が遅れに遅れていて夜も眠れないという。

自然が相手の仕事は辛いと思うと・この所の自分が小さく見えてくる。

気を取り直して軌道修正して元気になろうと思った。

関東平野の穀倉地帯で二毛作だから麦を取り入れないと田植えが
出来ない。

麦秋のこの時期は猫の手も借りたいほどなのにお天気が悪くて動きが
取れないと嘆いていた。

このままだと田んぼで芽がでて仕舞うかも知れないと。

遠い昔にそんなことが有ったような気がする・奔り梅雨を思わせる雨が止むことを知らず降り続き空ばかり気にしていたあの日が甦ってきた。

少しの晴れ間でも一家総出で田んぼに走った日を。
自然を相手の仕事の厳しさは判っていても過ぎた昔のことで。


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