雛の想い出

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あの日母がどれだけ悲しい思いで田舎へ帰って行ったかと
思うと今でも胸が痛みます。

初孫である娘にお雛様をお祝いしたくて上京して来たのに
それも適うことが出きずに。

なにがしかのお金を私に渡して帰って行ったのでした。

主人の両親がお雛様を買うことを許してくれなかったからです。

いずれ無駄になるから要らないと言って買うことは許されませんでした。

娘は私の手作りのお雛様で初節句をお祝いをしたのでした。

長い年月が経って母が年老いて私と生活を共にするようになった
お正月のある日のこと。

デパートに出掛け売り場を彼方此方楽しんでおりますと。

母が急にあれを貴女に買って上げるねと言って買って呉れたのが
このお雛様です。

赤い小さなお座布団にお座りしたお雛様を買ったとき母の顔が何となく
ホットしたような優しい顔に見えたことを忘れられません。

泥焼きの鈴のお雛様です。

戦争でお雛様と別れ別れになった私に新しいお雛様が出来た日でした。

あれから十数年の月日が流れ今こうしてお台所に飾ってみますと。

優しいお顔が亡き母を思い出させてくれます。

亡き母の形見のお雛様と今年も春を迎えることが出来ることは何と幸せな事でしょうか・・・






10:37 | 母と私 | comments (2) | trackbacks (0) | page top↑