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2005-08-02(Tue)

母と二人で新しい生活



朝から落ち着きのない私を伯父が笑ってみてました。
牛は小屋から引き出されて新しいわらじを履かせて
貰い飼い葉桶の餌を美味しそうに食べています。

頭を撫でてやると嬉しそうに顔を上げて啼きます。

今日は母と私を前橋まで送ってくれるのです。

伯父は慣れない私達のために荷物の間に座るところを上手に作ってくれました。

此から三里の山道を下って行くのです、途中で床屋の叔母さんの家がある
「野良犬」に寄って疎開の荷物を積んで往かなければ成りません。

「青梨」の小学校の脇を抜けて、県道(現在の国道17号線)に出て、後はひたすら
前橋を目指して山道を下るだけです。

群馬総社を通り利根橋を渡れば前橋です。

利根橋に差しかかりますと、バスが一台走ってきました、橋を渡りきったところで、
停まって後から歩いてくる人達を待っているのです。

橋が木で出来ていて古いので重量制限が合ったようで母と私も牛車から降りて
歩きました。

前橋に疎開をしてからは毎週このバスに乗って叔父さんの家にお米を貰いに行く事に成ったので始めて知ったのですが、バスは木炭を燃やして走っていたのです。

今の車のような馬力はなく、山道に差し掛かりますと子供だけ残して大人はみんな
バスから降りてバスの後ろを押すのです。

こうして山道を越しますと、ヤレヤレと言った感じで大人の人が乗って来て何事も
なかったかのように、バスは又走り出すのでした。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

前橋の工場に着きますとみんなが待っていてくれました。

母の叔父さんは」少し小太りで優しそうな人でしたので少し安心しました。

若いお兄さんが沢山働いていました、近くに「中島飛行場の工場」が有ってそこで
使う「ヤスリ」の目立てをやっていたのです。

私達の住む部屋は、事務所の裏にある宿直室の隣の部屋で大きな長い廊下があって母と二人で住むのには、贅沢すぎると思いました。

叔父さんは荷物の整理を済ませて、牛に餌を遣ってから又あの山路を帰って行きま
した。

工場の角は大きな十字路で私は、この十字路に新しい生活を見付けて行くのでした。

木炭バスのサイトはこちらです。

ヤスリのサイトは此方です

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